子犬のペット保険は、迎えた日のうちに申し込むのが基本です。申し込んでから補償が始まるまでは、数週間〜2か月ほど空きます。その間をペットショップで入れる短期の保険などで埋めておくと、子犬期の誤飲や骨折にも備えられます。
この記事でわかること
- 主な4社で、子犬が生後何日から入れるかと補償が始まる日
- ペットショップで勧められる保険の正体と続け方
- ミックス犬の子犬はどの区分の保険料になるか
- パテラなど先天性の病気が補償されるかどうかの会社差
主な出典: アイペット損保・アニコム損保・PS保険・FPCの公式サイトとよくある質問/環境省「STOP!生後56日までの犬猫販売!」
子犬を迎える日が決まると、ケージやフードと一緒に気になるのがペット保険です。ペットショップで加入を勧められて、そのまま入ってよいのか迷う方も多いと思います。
子犬の保険選びで差が出るのは、商品の良し悪しより「いつ申し込むか」です。申し込んでから補償が始まるまでには、どの会社でも空白があるからです。
この記事では、子犬を迎える前後の時期に絞って、加入の条件と手続きの順番を整理します。
先に押さえたい要点
- ペットショップやブリーダーから迎える子犬は、法律で生後56日を過ぎてから引き渡される。主な会社の加入の下限は超えている
- 自分で申し込む保険は、補償開始が早くて約3週間後、遅いと翌々月1日になる
- ショップの保険はお迎えの日から使える短期型が多い。切れる前に続け方を決める
- 先天性の病気は、加入前に見つかっていると補償の外。子犬のうちに入るほど条件がそろいやすい
子犬はいつからペット保険に入れる?主な4社の加入条件
子犬がペット保険に入れるのは、会社によって0歳の初めから、または生後30日以上からです。ショップやブリーダーから迎える子犬なら、迎えた時点でどの会社の下限も超えています。
販売用の犬猫を繁殖する業者は、生後56日を過ぎるまで、販売のための引渡しや展示ができません(環境省「STOP!生後56日までの犬猫販売!」)。日本犬6種を専門に繁殖する業者が直接販売する場合だけは、49日を過ぎれば認められています。
つまり、加入できるかどうかで迷う場面はほとんどありません。差が出るのは、申し込んでから補償が始まるまでの日数です。
子犬の加入の下限と補償開始日(各社公式サイトの表記)
| 会社(商品) | 新規加入の下限 | 補償が始まる日 | 待機期間 |
|---|---|---|---|
| アイペット損保(うちの子) | 0歳から保険料を設定(生後日数の下限は記載なし) | クレジットカード払は申込受付日の翌月の同じ日 | なし(別に引受審査期間あり) |
| アニコム損保(ふぁみりぃ) | 下限なし | オンライン申込みは手続き完了の1か月後 | 30日間はケガのみ補償 |
| PS保険 | 補償開始日時点で生後30日以上 | 申込日で決まり、案内の例では翌々月1日 | なし |
| FPC | 補償開始日時点で生後30日以上 | クレジットカード払は最短で申込みの21日後 | なし |
出典: アイペット損保「うちの子」の補償開始スケジュール・同「ペット保険の待機期間について」/アニコム損保「何歳から申込みできますか?」・同「新規契約の申込みをした場合、保険はいつから使えますか?」/PS保険「保険料をお見積り」・同「待機期間なしのペット保険はある?」/FPC「加入条件を確認したい」・同「申込手続きと補償開始日を確認したい」(2026年10月10日閲覧)。
アイペット損保は待機期間がない一方で、引受審査期間中に起きた病気やケガは補償の対象外と案内しています。アニコム損保の「ふぁみりぃ」は、補償開始から30日間は病気が対象になりません。
表の「補償が始まる日」は、口座振替や郵送で申し込むとさらに遅くなる会社があります。迎える日が決まったら、その日から逆算して申込日を決めておくと安心です。
ペットショップで勧められる保険はどう扱う?
ペットショップで勧められる保険の多くは、お迎えの日から補償が始まる、子犬を迎える人向けの入口の商品です。自分で申し込む保険が始まるまでの空白を、これで埋められます。
公式サイトで確かめられた主な商品を並べます。
- アニコム損保:「べいびぃ」「すまいる」「はっぴぃ」「きずな」は、ショップやブリーダーで迎えるのと同時に申し込む商品。お引渡し時以降のケガと病気が対象
- アニコム損保「すまいるべいびぃ」:一部のショップで入れる1か月間の無料保険。2か月目以降は「すまいるふぁみりぃ」として続ける形
- アイペット損保「うちの子プラス」:ショップ限定。1歳未満で、引渡しから1か月以内に購入した店舗で申し込む。最初の1か月は診療費の最大100%を補償
- FPC「ファーストほけん」:犬猫購入時傷病保険。お迎えのタイミングから補償が始まる
出典: アニコム損保「新規契約の申込みをした場合、保険はいつから使えますか?」・同「ペットショップ・ブリーダーで無料ペット保険に加入しました。名前登録は必要ですか?」/アイペット損保「うちの子プラス」/FPC「申込手続きと補償開始日を確認したい」。
アニコム損保の「すまいるべいびぃ」は、契約期間中はどうぶつ健康保険証が届かず、保険金の請求は郵送だけです。窓口で精算できない期間がある点は、知っておくと戸惑いません。
お迎えから「自分で選んだ保険」が始まるまで
- 補償の空白は、お迎えの日に動くかどうかで決まります。
- 1お迎えの日(引渡し日)ショップの保険は、この日から使える商品が多い
- 2同じ日に、自分で選ぶ保険を申し込む補償開始は早くて約3週間後、遅いと翌々月1日
- 3ショップの保険の期間が終わる前に決めるそのまま続けるか、自分で選んだ保険に切り替えるか
- 4自分で選んだ保険の補償が始まるアニコム損保のふぁみりぃなどは、ここから30日間はケガのみ
図:ショップの保険で最初の数週間を埋め、その間に本命の保険の補償開始日を合わせると、子犬期の空白を作らずに済む。
ショップの保険を続けるか、別の保険にするかの決め方
ショップの保険は、続ければそのまま本契約に移れる商品が多く、手続きの手間が少なく済みます。一方で、保険料や補償割合を他社と比べずに決めることになりがちです。
別の会社にしたいときは、ショップの保険が切れる日より前に、新しい保険の補償が始まるように申し込んでください。切れてから申し込むと、その間の誤飲や骨折は自己負担になります。
保険の申込書類を扱ってきた経験から言うと、最初に見てほしいのは保険料の欄より「補償開始日」の欄です。ショップの保険の終わる日と並べて、空白がないかを確かめてください。
補償が始まるまでの期間の考え方はペット保険の待機期間とはで、会社ごとに詳しく扱っています。
子犬の保険料は犬種の区分で決まる。ミックス犬は体重に注意
子犬の保険料は、年齢と犬種の区分(小型・中型・大型など)で決まります。純血の犬は犬種ごとに区分が決まっていますが、ミックス犬は体重で区分する会社が多く、子犬のうちは扱いが会社で違います。
ミックス犬の子犬の区分の決まり方(各社公式サイトの表記)
| 会社 | 何で区分するか | 子犬のうちの扱い |
|---|---|---|
| アイペット損保 | 成犬時の予想体重(12kg未満・12kg以上20kg未満・20kg以上の3区分) | 予想体重で決める |
| PS保険 | 体重(小型・中型・大型) | 生後8か月未満は6kg未満/6kg以上20kg未満/20kg以上。8か月以上は8kg未満/8kg以上25kg未満/25kg以上 |
| FPC | 体重(8kg未満・8kg以上25kg未満・25kg以上) | 生後8か月未満で入ると、継続のときなどに改めて体重を告知して区分を決める |
出典: アイペット損保「うちの子」の保険料・割引・特約/PS保険「犬種一覧」/FPC「両親が不明な雑種(ミックス)で保険を申込みたいのですが加入できますか?」。
FPCでは、両親の犬種がどちらも分かるミックス犬は、体重に関わらず大きいほうの型になります(FPC「フリーペットほけん」)。ミックス犬を迎えるときは、ショップで両親の犬種と、成犬になったときの体重の見込みを聞いておくと申込みがスムーズです。
子犬は体重がすぐ増えます。申込みのときと継続のときで、区分が変わることもあります。更新案内の保険料が上がっていたら、区分の欄も見てください。
子犬(0歳)の保険料の例
参考までに、公式サイトの保険料表から0歳の例を2社分並べます。補償の範囲や限度額は商品ごとに違うため、金額だけで比べないでください。
0歳の月払保険料の例(2026年10月10日に各社公式サイトで確認)
| 会社・区分 | 50%プラン | 70%プラン |
|---|---|---|
| アイペット損保「うちの子」犬A | 2,480円 | 3,090円 |
| アイペット損保「うちの子」犬C | 3,840円 | 4,990円 |
| PS保険 小型犬(生後30日以上120日未満で加入) | 1,450円 | 2,150円 |
| PS保険 小型犬(生後120日以上で加入) | 1,430円 | 2,120円 |
出典: アイペット損保「うちの子」の保険料・割引・特約/PS保険「保険料をお見積り」(PS保険はインターネット申込み・クレジットカード払、火葬費用等担保特約なしの0〜2歳の保険料)。
PS保険は、補償開始日に生後120日未満か以上かで、0〜2歳の保険料を分けています。差は月数十円なので、加入を遅らせる理由にはなりません。
年齢が上がったあとの保険料の動きはペット保険の保険料の相場で、犬の体重別・年齢別に整理しています。
子犬期に多いトラブルと、補償の外になる費用
子犬期は、病気より事故やケガで動物病院にかかる場面が目立ちます。アイペット損保が2026年6月に公表した保険金請求のランキングでは、犬は0歳から6歳まで「異物誤飲」が1位でした。
同じ発表は、0歳では「ケンネルコフ」や「骨折」も上位に入ったと説明しています。調査は2025年1月〜12月に支払った保険金のデータが元です(アイペット損保「保険金請求が多いペットの傷病ランキング2026」)。これは請求の多さの順位で、病気の起こりやすさそのものではありません。
一方で、子犬を迎えた直後にかかる費用には、保険の対象外になるものが多くあります。アイペット損保の「うちの子」では、次の費用が補償の外です。
- 予防の費用:ワクチン接種、フィラリアやノミ・ダニの予防薬
- ワクチンで防げる病気:犬パルボウイルス感染症や狂犬病など(予防措置の有効期間内に発症した場合などは除く)
- 処置の費用:去勢・避妊手術、健康診断、マイクロチップの埋込み
出典: アイペット損保「うちの子」の補償内容。
子犬の1年目は、ワクチンや去勢・避妊などで出費が重なりがちです。保険で払えるのは「病気とケガの治療費」と考えて、予防の費用は別に見積もっておくと家計の見通しが立てやすくなります。
予防医療が対象外になる理由はペット保険でワクチン・健康診断は対象外、ケガや病気ごとの治療費は犬猫の病気・ケガ別の治療費で扱っています。
パテラなど先天性の病気は補償される?会社で分かれる扱い
先天性の病気は、加入前に獣医師に見つかっていれば、どの会社でも補償の外です。加入後に初めて見つかった場合の扱いは、会社によって分かれます。
先天性の病気の扱い(各社公式サイトの表記)
| 会社 | 加入前に見つかっていた | 加入後に初めて見つかった |
|---|---|---|
| アイペット損保 | 対象外 | 補償開始後に獣医師が初めて診断した場合は対象(パテラも同じ) |
| アニコム損保 | 対象外 | 初年度の始期日から30日間(待機期間)に発症した場合は対象外 |
| PS保険 | 対象外 | 先天性は対象。遺伝性と獣医師が明確に判断した病気は対象外 |
| FPC | 対象外 | 支払えない場合として「遺伝性、先天性異常による身体障害」を挙げている |
出典: アイペット損保「うちの子」の補償内容/アニコム損保「先天性異常や、保険契約が始まる前に受傷したケガ、発症した病気は補償の対象ですか?」/PS保険「遺伝性疾患と先天性異常とは」/FPC「フリーペットほけん」。
PS保険は、加入後に見つかった先天性の膝蓋骨脱臼(パテラ)や股関節形成不全を補償の対象に挙げています。遺伝性か先天性かを獣医師が明確に判断しない場合は、先天性として扱うとしています。
FPCの商品ページは、先天性異常を支払えない場合の項目に並べていて、加入後に見つかった場合の条件までは書かれていません。小型犬でパテラが心配なら、申込み前に重要事項説明書で確かめるか、問い合わせておくと安心です。
先天性の病気は「いつ見つかったか」で分かれる
- 扱い
- 4社とも補償の外
- よくある場面
- お迎え後の健康診断でパテラを指摘された
- 告知
- 申込みのときに伝える
- 扱い
- アイペット損保・PS保険は対象
- 条件
- アニコム損保は待機期間中の発症を除く
- 確認先
- FPCは重要事項説明書で確かめる
図:子犬のうちに入るほど「加入前に見つかっていた」病気が少なく、先天性の病気も補償の内に残りやすい。
子犬にペット保険は入るべき?向いている家庭
子犬に保険が要るかどうかは、まとまった治療費を貯金で払えるかで決まります。子犬期は誤飲や骨折のように、急に手術や入院になる場面があるからです。
- 手術や入院の費用を一度に払う余裕がない:子犬のうちから入っておく
- パテラなど先天性の病気が多い犬種を迎える:見つかる前に入るほど補償の内に残りやすい
- 好奇心が強く、物をかじる時期の子犬:誤飲の通院や手術に備えられる
- 数十万円の治療費を貯金で払える見通しがある:保険料を積み立てる方法も選べる
- ワクチンや健康診断の費用を減らしたい:これらは多くの保険で対象外
迷っているなら、ショップの短期の保険で最初の数週間を埋めつつ、1か月かけて他社と比べる方法もあります。大事なのは、比べている間に補償の切れ目を作らないことです。
保険の必要性を年間の治療費から考えるなら、犬の年間医療費の平均が参考になります。
子犬を迎えてから保険に入るまでの手順
子犬の保険は、迎える日の前から段取りを決めておくと、空白を作らずに済みます。次の順に進めてください。
子犬の保険を決める順番
- 迎える日が決まったら、この順に進めると抜けが出にくくなります。
- 1迎える前に候補を2〜3社に絞る補償割合・限度額・先天性の病気の扱いを見比べる
- 2引渡しの日に必要な情報を受け取る生年月日・犬種。ミックス犬なら両親の犬種と体重の見込み
- 3ショップの保険の内容と期間を確かめるいつまで使えるか、続けると何という商品になるか
- 4補償開始日を逆算して申し込むショップの保険が切れる前に始まる日を選ぶ
- 5健康診断で指摘されたことは告知する告知の内容によっては条件付きの契約になる
図:候補選びを迎える前に済ませておくと、引渡しの日に申し込めて補償の空白が短くなる。
手順2の生年月日は、補償開始日の年齢を決める情報です。生年月日が分からない場合、アイペット損保では獣医師による推定年齢で申し込めます(アイペット損保「うちの子」の保険料・割引・特約)。
手順5の告知は、子犬でも省けません。FPCは、告知した病気によっては特定の病気を補償しない条件付きの契約になる場合があると案内しています。
告知で何を伝えるかはペット保険の告知義務違反はバレる?、迎える前の準備全体は初めてペットを迎える前に準備することで整理しています。
よくある質問
子犬のペット保険で、よく寄せられる質問です。
子犬は生後何日からペット保険に入れますか?
会社によって違います。PS保険とFPCは補償開始日の時点で生後30日以上が条件で、アニコム損保は下限を設けていません。ショップやブリーダーから迎える子犬は生後56日を過ぎてから引き渡されるため、迎えた時点で条件を満たしています。
ペットショップで勧められた保険に、そのまま入ってもいいですか?
入ってかまいません。お迎えの日から使える商品が多く、補償の空白を埋められます。ただ、保険料や補償割合は他社と比べないまま決まりがちです。期間が終わる前に、続けるか別の保険にするかを決めてください。
申し込んだ日から、すぐ保険は使えますか?
自分で申し込む保険は、すぐには使えません。アイペット損保のクレジットカード払は翌月の同じ日から、アニコム損保のオンライン申込みは手続き完了の1か月後からです。アニコム損保は、さらに30日間はケガだけが対象になります。
ミックス犬の子犬は、どの区分で保険料が決まりますか?
多くの会社が体重で区分しています。アイペット損保の場合は、成犬になったときの予想体重が基準です。FPCは生後8か月未満で入った場合、継続のときなどに改めて体重を伝えて区分を決める仕組みです。
子犬のワクチン代は、ペット保険で払えますか?
払えません。ワクチン接種やフィラリア予防などの予防の費用は、多くのペット保険で対象外です。去勢・避妊手術や健康診断の費用も補償の外なので、保険とは別に準備しておいてください。
お迎え後の健康診断でパテラを指摘されたら、入れませんか?
入れる場合もありますが、パテラは補償の外になりやすくなります。加入前に獣医師に見つかった先天性の病気は、主な4社とも補償の対象外です。指摘されたことは、申込みのときに告知してください。
まとめ:子犬のペット保険は、お迎えの日に動く
この記事のまとめ
- ショップから迎える子犬は生後56日以降。主な会社の加入の下限は超えている
- 自分で申し込む保険は、補償開始まで約3週間〜翌々月1日の空白がある
- ショップの保険はお迎えの日から使える入口。切れる前に続け方を決める
- ミックス犬の子犬は、体重の扱いが会社で違う
- 先天性の病気は加入前に見つかると補償の外。子犬のうちに入るほど条件がそろう
子犬を迎える日が決まったら、候補の保険を2〜3社に絞り、引渡しの日に申し込めるよう準備してみてください。
※本記事は各保険会社の公式サイト・公的機関の公開情報をもとにした整理です。加入条件・保険料・補償内容は改定されることがあり、取り扱いは各保険の約款と契約内容によります。著者は保険募集人・FP等の資格を保有していません。個別の契約判断は重要事項説明書をご確認のうえ、必要に応じて保険会社・代理店にご相談ください。

