犬・猫の酸素室レンタル完全ガイド【2026年版】費用・使い方・選び方を解説

犬や猫の呼吸が苦しそうになると、在宅で使える「酸素室レンタル」が選択肢に入ります。ただ月額13,200円〜29,700円という幅の広さに、何を基準に選べばいいか迷う飼い主さんは少なくありません。

この記事では主要5社の費用・スペック、ペット保険での補償可否、安全な使い方を整理します。読み終わるころには「自分のコの状態ならどう選ぶか」が見えるはずです。

この記事でわかること

  • 犬・猫用酸素室レンタルの月額相場と3か月総額(主要5社の比較表)
  • オーツーチャージ/テルコム/ユニコムなど主要業者の特徴と向き不向き
  • 酸素室はペット保険で補償されるのか(条件と対象外になりやすいケース)
  • 老犬・心臓病・呼吸器疾患のペットで酸素室を安全に使うための注意点

公的情報源: 金融庁日本損害保険協会 そんぽADRセンター環境省 動物愛護管理日本獣医師会

目次

犬・猫の酸素室レンタルとは|2026年の月額相場と総額

ペット用酸素室レンタルは、室内の空気から酸素濃度90%以上の高濃度酸素を作る「酸素濃縮器」と専用ケージを自宅に借りて使う在宅酸素療法のサービスです。心臓病・気管虚脱・肺水腫・貧血など、呼吸が苦しいペットの通院・入院の負担を軽くする目的で使われます。

費用は「月額だけ」を見ると判断を誤りやすいのが特徴です。まず相場と総額の全体像を押さえましょう。

月額相場は13,200円〜29,700円

主要5社の月額レンタル料は13,200円〜29,700円に収まります。ただし月額のほかに、次の費用が上乗せされます。

月額以外にかかる費用
  • 基本契約料・初期登録費:0円〜9,900円
  • 配送料・回収料:往復で13,200〜17,600円かかる業者もあり
  • 電気代:24時間稼働で1日150〜300円
  • 濃度計の別料金:テルコムは月約6,600円

つまり「月額が安い=総額も安い」とは限りません。ここがペット酸素室レンタルの最初の落とし穴です。

3か月総額は約4万〜8.3万円

実際に3か月借りた場合の総額目安を、5社で比べてみます。小型ケージ・濃度計あり・配送料込みで試算した数字です。

会社名初期費用月額配送料3か月総額の目安
オーツーチャージ(O2 Charge)0円13,200円0円約39,600円
ユニコム9,500〜11,500円12,000円〜別途約55,000円〜
日本医療数千円〜18,000円前後別途約64,000円
ピコの手数千円〜18,000円前後別途約64,000円
テルコム9,900円+送料19,800円別途約82,500円

※2026年5月時点・各社公式サイト記載の料金をもとに試算。実際の見積りは各社にご確認ください。

数字だけ見ると安い順は明確です。ただ、初期費用が無料でも酸素流量が小さいと中型犬には足りない、月額が安くてもケージが別売り、というケースは普通にあります。次に各社の向き不向きを見ていきます。

酸素室レンタル主要5社の特徴と向き不向き

料金・スペック・対応できる犬猫の体格・サポート体制で比べると、業者ごとに想定ユーザーがかなり違います。「迷ったらこれ」と言い切りにくい部分を、正直に整理します。

オーツーチャージ(O2 Charge)|初期費用0円で短期〜中期向き

オーツーチャージは初期費用0円・配送料0円でレンタルできる点が特徴です。月額13,200円のみで始められるため、「まず1〜3か月使ってみたい」「急に獣医師から在宅酸素を指示された」というケースに向いています。

酸素流量は最大15L/分と5社のなかで大きく、中型〜大型犬にも対応できるスペックです。合わなければ翌月解約しても初期費用と配送料がかからないぶん負担が小さいのが強みです。

テルコム|長期利用・大型犬で実績豊富

テルコムは2003年からペット用酸素室を提供する老舗で、動物病院での導入実績も豊富です。月額19,800円とやや高めですが、「酸素ハウス」と呼ばれる高密閉アクリルケージの品質に定評があります。半年以上の長期療養で安定感を重視するなら有力候補です。

ユニコム|大型犬・複数頭・自前ケージ派に

ユニコムは酸素濃縮器のみをレンタルし、ケージは自分で用意するか別途購入するスタイルです。そのぶん月額が12,000円台から始められます。大型犬でケージサイズが特殊な場合や、長期化が見えていて「ケージは買い切ったほうが早い」と判断できる飼い主に向きます。酸素流量3L/分のモデルもあるため、機種選びは慎重に。

日本医療・ピコの手|地域密着型のサポート

日本医療とピコの手は3か月総額が約6万円台の中位グループです。両社とも電話サポートや搬入立ち会いに定評があり、「機械操作が不安」「設置場所を相談したい」という飼い主に向いています。

選び方は「緊急性・期間・体格」の3軸

向いている業者は、次の3軸で整理するとぶれません。

  • 緊急性が高く短期で使う:オーツーチャージ(初期費用0円・即日対応のケースあり)
  • 長期療養になりそう:テルコム or ユニコム(品質と耐久性で選ぶ)
  • 機械操作が不安・初めて:ピコの手 or 日本医療(サポート重視)

特に短期で試したい場合は、初期費用・配送料0円のオーツーチャージが現実的な選択肢になりやすいといえます。

酸素室の効果と「在宅酸素療法」が使われる病気

酸素室は、健康な犬猫が入るとかえって害になることもある医療機器です。獣医師の指示があってはじめて使うという前提を踏まえたうえで、効果と適応疾患を整理します。

医療機器の取り扱いは環境省「動物の愛護及び管理に関する法律」日本獣医師会のガイドラインに沿い、必ず獣医師の指示のもとで行ってください。

在宅酸素療法の主な効果

獣医師の文献や動物病院の解説をまとめると、効果は次の3つに集約されます。

  1. 呼吸を楽にする(酸素濃度を21%から30〜40%へ)
  2. 肺水腫・チアノーゼの緩和を補助する
  3. 入院ストレスから解放し自宅でケアできる

ひとつ目は、酸素濃度を通常の21%から30〜40%に引き上げることで呼吸筋の負担を軽くする効果です。ふたつ目は、心臓病で肺に水がたまった状態の全身酸素化を補助する役割があります。みっつ目は、慣れた自宅でケアできるため、特に高齢猫や神経質な犬の負担が減る点です。

酸素室が推奨される代表的な病気

酸素室は、おもに次のような呼吸・循環の疾患で検討されます。

酸素室が検討される主な疾患
  • 僧帽弁閉鎖不全症(高齢小型犬に多い心臓病・MR)
  • 気管虚脱(チワワ・ポメラニアン・トイプードル)
  • 肺水腫・うっ血性心不全
  • 肺炎・誤嚥性肺炎
  • 重度の貧血(IMHA等)
  • 鼻腔狭窄(短頭種・パグ・フレンチブルドッグ)
  • がんの緩和ケア・ターミナルケア

軽い心不全と診断された段階で「肺水腫が出たら酸素室を考えましょう」と言われることもあります。先に予習しておくと、いざというときの判断が早くなるのは大きな利点です。

ペット保険で酸素室レンタル費用は補償される?

ここが大手比較サイトでも書かれにくい、大事なところです。結論から書きます。

補償可否の結論
  • アニコム損保:獣医師の指示があれば原則補償対象(通院1日あたりの支払限度額の範囲内)
  • その他大手:プランや約款で扱いが分かれる
  • 多くのケースで「治療費」ではなく「機器のレンタル料」と判定され対象外になることがある

ペット保険は金融庁登録の損害保険会社・少額短期保険業者が運営しています。約款の解釈で迷ったときは日本損害保険協会「そんぽADRセンター」に相談する選択肢があります。

「酸素室はペット保険で安心」と一律には言えないのが2026年時点の現実です。加入プランごとに確認が欠かせません。

アニコム損保のケース(公式FAQより)

アニコム損保は公式FAQで、酸素ハウスのレンタルは、獣医師の指示のもと治療の一環として必要な場合は補償の対象と明記しています。レンタル開始日を診療日とみなし、通院1日あたりの支払限度額の範囲内で支払われる扱いです。

補償を受けるための条件と必要書類

保険金が出るかどうかは、書類を揃えられるかで決まります。酸素室レンタルでも同じです。

必須となる書類
  • 獣医師の診断書または指示書(在宅酸素療法が治療上必要だと記載されたもの)
  • レンタル業者発行の正式な領収書(月ごとに発行依頼)
  • 加入プランで「通院補償」または「在宅医療」が範囲に含まれることの確認

加入前に確認したいのは、次の4点です。

  1. 加入中プランの通院補償の有無
  2. 支払限度額(1日あたりの上限・年間日数)
  3. 免責金額(あれば差し引かれる)
  4. 治療と認められる機器が補償対象に含まれるか(約款で確認)

「対象外でした」となりやすい3つのパターン

保険会社で「請求は受けたが支払えない」となる典型は、次の3つです。

  • 獣医師の指示書がない(飼い主の判断だけでレンタル開始)
  • 手術特約のみ・通院補償なしプランに加入していた
  • 既往症期間中にレンタル開始(加入前から心臓病だった等)

加入時の約款と既往症の条件で結果が変わります。すでにペット保険に入っている方は、まず加入中の保険会社のカスタマーセンターへ「酸素室レンタルが補償されるか」を電話確認するのが早道です。多くの場合、数分で答えが出ます

酸素室レンタルの使い方と安全に使うための注意点

「機器を借りればすぐ使える」と思いがちですが、酸素は使い方を誤ると逆に害になる医療ガスです。複数の動物病院の解説と業者の取扱説明書から、実際の使い方と注意点を整理します。

設置から運用までの流れ

設置から運用までは、おおむね5ステップで進みます。

  1. 獣医師に在宅酸素療法の指示を受ける(指示書をもらう)
  2. 業者に連絡する(最短当日〜翌日設置のところもあり)
  3. 設置場所を準備する(普段過ごす部屋・コンセント1口・周囲2m火気厳禁)
  4. 動作確認・濃度計設置(酸素濃度30〜40%を目安に調整)
  5. 使用時間を管理する(獣医師指示の時間で・連続使用は要換気)

守りたい5つの注意点

安全に使うための要点は次のとおりです。

安全使用の5原則
  • 酸素濃度は30〜40%が目安(高すぎると酸素中毒のリスク。獣医師の指示を守る)
  • 定期的に扉を開けて換気し、CO2の蓄積を防ぐ(特に夜間就寝時)
  • 酸素濃縮器の周囲2mは火気厳禁(タバコ・ライター・キャンドル禁止)
  • 室温は22〜26℃に保つ(密閉ケージは熱がこもりやすい・夏場は注意)
  • 嫌がるときは無理に閉じ込めない(タオルやおもちゃで慣らす)

緊急時のサイン(こうなったら獣医師へ)

次のサインが出たら、酸素室で様子を見ようとせず、すぐにかかりつけ医へ連絡してください。

  • 呼吸が荒い・速い(1分間に40回以上)
  • 舌や歯茎が紫がかっている(チアノーゼ)
  • 座ったまま首を伸ばして呼吸している
  • 横になって眠れない・荒い呼吸が止まらない

これらは肺水腫など命に関わるサインです。判断に迷う症状は、必ず獣医師に相談してください。

入院と在宅酸素療法どちらが家計の負担を抑えられるか

入院と在宅酸素療法では、長期化したときの家計負担が大きく変わります。目安を比べてみます。

入院費の相場(24時間酸素管理)

動物病院の公開料金などをまとめると、酸素管理を伴う入院は1泊5,000〜10,000円が相場です。心臓病や肺水腫で長期化すると、1か月で15万〜30万円に達するケースもあります。

在宅酸素療法の費用目安

在宅酸素療法(オーツーチャージの例)の月額は、次のとおりです。

項目月額の目安
月額レンタル13,200円
電気代(24時間稼働)約6,000円
合計約19,200円

入院と比べると、ざっくり1か月で10万円以上の差になる計算です。さらに、ペットがストレスなく自宅で過ごせる利点もあります。長期化が見えた瞬間に、在宅が費用面で有利になりやすいといえます。

犬・猫の酸素室レンタルに関するよくある質問

Q1:酸素室レンタルは最短どれくらいで届きますか?

オーツーチャージは平日午前中の申込みで当日〜翌日設置ができるケースがあります。テルコム・ユニコムは基本2〜3営業日です。「今夜から酸素を」と言われた場合は、夜間でも電話受付している業者を選びましょう。

Q2:途中解約の違約金はかかりますか?

オーツーチャージは最低利用期間なし・違約金なしです。テルコムやユニコムは月単位契約のため、月の途中で解約しても当月分は満額請求されるケースが多めです。契約前に「最低利用期間」と「解約予告期間」を確認してください。

Q3:月の途中から借りると日割り計算されますか?

業者で対応が分かれます。オーツーチャージは日割り対応あり、テルコム・ユニコムは月額固定(日割りなし)のケースが多めです。月の後半に借りるなら、日割り対応の業者を選ぶと初月コストを抑えられます。

Q4:猫でも犬と同じ酸素室で使えますか?

ハードウェアは猫・犬・小動物(ウサギ・フェレット等)で共通です。ケージサイズを体重に合わせて選ぶのがポイントです。小型ケージは猫・チワワ・トイプードル、中型はコーギー・柴犬、大型はゴールデン・ラブラドール用が目安になります。

Q5:未加入ですが、これから加入して補償を受けられますか?

率直に書くと、すでに呼吸器・心臓の症状が出てからの加入では補償対象外になる可能性が高いです。ペット保険は健康なうちに入るのが大前提で、告知義務違反になると更新拒否や保険金不払いにつながります。健康なうちに比較・検討しておくのが安心です。

Q6:電気代はどれくらいかかりますか?

酸素濃縮器は24時間稼働で1日150〜300円、月額にして約4,500〜9,000円が目安です。夏季・冬季は上限近くまで上がることがあります。レンタル料に含まれないため、月の負担に上乗せして見込んでおきましょう。

Q7:機械の音はうるさいですか?

酸素濃縮器の動作音は40〜50dB程度(静かなエアコン室内機並み)です。寝室は避け、リビングなど少し離れた場所に置くのが一般的です。神経質な猫も、3〜4日で慣れるケースが多いといわれます。

まとめ|酸素室レンタルは「期間×状態×保険有無」で決める

最後に、この記事の要点を整理します。

この記事の要点
  • 月額相場は13,200〜29,700円。配送料・初期費用・電気代込みの総額で比較する
  • 3か月総額の目安が小さいのはオーツーチャージで約39,600円(初期費用・配送料0円)
  • 短期・緊急はオーツーチャージ、長期・大型犬はテルコムと用途で選ぶ
  • ペット保険の補償可否は加入プラン次第。アニコムは原則対象だが指示書が必要
  • 加入中の保険会社へまずカスタマーセンターで電話確認
  • 酸素濃度30〜40%・周囲2m火気厳禁・定期換気が安全使用の3原則

呼吸が苦しそうな状況なら、まずはかかりつけ医に相談し、指示書をもらってから初期費用0円の業者を試すのが、家計と心の両面で負担の小さい選択肢になりやすいといえます。最終的にはご家庭の事情と獣医師の判断に合わせてご決定ください。

ペット保険の加入をこれから検討する方は、あわせて以下の比較記事も参考にしてください。

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免責事項

※本記事は公開情報をもとにした整理で、診療・治療を目的としたものではありません。ペットの健康に関わる判断は自己判断せず獣医師にご相談のうえ、保険の補償可否は加入中の保険会社・公式情報で最新内容をご確認ください。記事内の料金は税込・試算であり、正式な見積りは各事業者にご確認ください。

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この記事を書いた人

保険会社の窓口で10年、お客さまの「どれがいいですか?」という問いの背後を見てきたHashimotoです。私自身はFPでも保険募集人でもなく、所属していたのは事務サポートの立場でした。ただ、年間200件以上の生損保契約書を毎日見続けていれば、約款の読み方・保険料の計算式・引受条件のクセは自然と頭に入ります。

ところが、自分の猫(当時5歳のクロ)にペット保険を入れようと調べ始めたとき、驚くほど困惑しました。「補償割合70%と90%で実際どれだけ違うの?」「10歳以降も更新できる?」「持病があっても加入できる?」――人間の保険で当たり前に確認することが、ペット保険では比較サイトを見ても出てこない。

そこから自分で10社以上の重要事項説明書・約款・公式FAQを読み込み、保険料・補償・更新条件を数字で比較するメモを作り続けてきました。猫2頭を10年以上育ててきた飼い主としての判断軸も併せて整理しています。本サイトはあくまで「**事務として現場を見てきた経験**」と「**飼い主としての実体験**」と「**独自に10社比較した記録**」を整理する立場で書いており、**個別の契約判断は必ず各保険会社の重要事項説明書をご確認のうえ、必要に応じて保険代理店・FPなど有資格者にご相談ください**。

大切な家族のために保険を選ぶとき、「なんとなく有名だから」で決めてほしくない。10社比較の数字の整理と、猫2頭を10年育てた飼い主の経験の両方で、後悔しない選択のお手伝いをします。

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